隷属の寵愛 32
「ゆるし……て、好きに、なるの」
「……可愛いね、けど、我慢出来なくなる」
繋がりを一度解くと、彼はリディアを仰向けに寝かせて体位を変えた。
「許すも何も、おまえを乞うているのは最初から私のほうだ」
「ふ……っあ、あああン」
正面から抱かれると、より大きな快楽に身を焦がされる。
もういっそ本当に狂ってしまいたかった。何も考えられない自分になってしまいたかった。ずっとずっと彼の腕の中にいたかった。
彼を自分に縛り付け、どこにも行かせたくなかった。
「リディア……好きだよ、愛している」
濡れた舌を絡ませ合う口付けの合間に彼はそう囁く。
感情も感覚も、もうリディアには制御できなかった。
「傍にいて、傍にいてください……キース様……愛しているの」
「……それは"永遠"?」
彼女の細い腰を抱きしめ、最奥まで深く突き上げながらキースは訊く。
「誓って、リディア」
「あ、ン……ぅ……っ、永遠、です」
「……ん。いいよ、永遠だ……約束したからな」
「あああっ」
私の手を取るなら、ずっと離さないでいて欲しかった。
それがあなたの気まぐれでも、約束が永遠に続いていくことが本当の願いだった。
「ごめ……な、さい」
「どうして? 私はおまえを愛しているのに」
キースは眉根を寄せ、余裕のない表情を見せた。
「……リディア、もう……出したい。いいか?」
「は、い……わ、たしも」
甘い痺れが全身に回ってきていた、繋がりを深くされれば小さな痛みが一瞬走る。
「あ……あぁ……キース様……い、っあ」
「いきそう? 気持ちいい? 言って、リディア」
「気持ちいいです……も、ぁっ……いい……っ」
ぬちゅぬちゅと音を立たせながらキースが激しく腰を使う。
甘い香りを放つ妖艶な花が咲くまでは一瞬だった。
「や、あ……ぁああっ、い……」
「……もう、イク……出すぞ」
「……っンぅ」
深い繋がりのまま腰を使われ、こじ開けられたような感覚に意識が飛ばされる。
「リディア、愛している……それは……永遠だ」
体内でビュクビュクと吐き出される熱い体液の刺激にもリディアは身体を震わされた。
「……ぁ……永遠に……キース、様」
彼女のサファイヤブルーの瞳から零れ落ちる宝石のような涙を、キースは満足そうに眺めていた。
「……可愛いね、おまえは本当に」
繋がりを解かないまま、愛おしそうに告げてくる彼に身体がひくりと反応をしめす。
「私は、どうしたらキース様に愛して貰えますか」
「愛していると、私は何度も言っているよ?」
「ちが……うんです」
溢れる涙の量が増えてしまい、それを見ていたキースが笑った。
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